Twitterと同じで考えたときに作らないと意味ない
―― ところで、なんであんなに曲が作れるんですか? ポンポンと。
まつき はははは。でも、そんなこと言ったら週刊誌に描いている漫画家さんなんて何やねんっていう話ですからね。
―― 1000人Twitter※5もそんな感じで、ゼロから作ったんですよね?
まつき そうですね、完全にゼロから。でも、そこは「ビートルズ育ちのMTR生まれ」みたいな、僕の専売特許がありまして。
![]() | Ustreamで配信された「1000人Twitter(それはあなたです!)」収録の様子 |
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※5 1000人Twitter(それはあなたです!) : Twitterで1000人フォローし、そのTLから抽出した言葉で作られた音楽。トラック制作の模様はUstreamでも配信された
―― なるほど。いつも1曲どれくらいで作るんですか?
まつき たとえば今週の「新曲の嵐」※6ですけど、寝る前に「タイムラインを追いかける女の子の歌を、USインディーのバンドが歌ったらカッコイイのにな」みたいなつぶやきをしたんです。目が覚めて、もう自分で作ろうと思って。歌詞は思い浮かんでいたんで、風呂に入ってメロディを考えて、風呂から上がってProToolsを立ち上げて、その1時間半後にはMySpaceに上がってました。
―― それはすごいですね。
まつき アメリカの田舎のバンドが、友達のレコーダーで録音したらこうなった、みたいな感じにしたかったので、サウンドプロダクション的にもやさしかったんです。
※6 今週の「新曲の嵐」 : 1月11日アップの「タイムラインガール」。
―― アイデア次第では早くも作れると。でも思いついたらProToolsからアップロードまで一気通貫なんですね。
まつき それはTwitterも同じですよね。思ったときに言わないと。2時間寝かせただけでも「今こんなこと思ってないや」ってこともあるじゃないですか。音楽はそれを閉じ込める手段だと思うので、考えたときに作らないと意味ない。だから自宅録音でやっているんだと思うし。
―― それはやっぱりミュージシャンとして新しいですね。ツイートの勢いで曲を作ってるわけでしょ? じゃあライブも得意なんじゃない?
まつき ライブはやってないです、今は。普通のバンド形式でずっとやっていたんですが、自分が鳴らしたい音が全部鳴ってない時点で、楽しくないなと。それに、よく言われる「ライブにしか感じられない良さがここにはある」とか「音源で見せてくれた一歩先を進めた地平線」みたいな文章が嫌いで。
―― ああ、それは音楽ライターが書きがちなフレーズだよね。
まつき だって録音にもいいところはあるし。ライブと録音を比べてこっちが上みたいな書き方ってナンセンスだと思っていて。そういう苛立をかかえたままやっても良くない。だから「ライブしません」宣言して、半年くらいやってなくて、今に至ります。
―― もうやらないんですか?
まつき 今度「2000人Twitter」という公開生録音をやります。僕にとってはUstreamもライブなんですよ。ただ誤解して欲しくないのは、僕がこういうやり方をしていることで、何かを切り捨てようとは思っていないってことです。CDを出さないことで「CDなんかくだらない」とか、ライブをやらないことで「ライブはダメだ」なんて思わない。僕は新しい可能性を提示する生き方を選んだつもりなので。
―― じゃあ楽しみにしていますから。それにしてもいま音楽やるのって、ずいぶん楽しそうですね。
まつき いいですよー。昔に比べたら、いろんなことが本当に楽になったから。
一億年レコード発売記念/公開生録音
2010年2月19日、渋谷UPLINK FACTORYで、一億年レコード発売記念イベント「2000人Twitter公開生録音〜人生はオフ会だ〜」と題して開催される。Twitterで入れて欲しい歌詞、入れて欲しい音などを受け付け、会場で録音。完成した曲は即時MySpace上に公開されるという前代未聞のイベント。
会場のチケットは既にソールドアウトだが、公開録音の様子はUstreamで中継される。また、それにさきがけ2月13日19:00から、サビだけ録音する模様も中継される予定。詳細はMySpaceのブログ、及びオフィシャルサイトを参照のこと。
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。
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